足元から、暮らしを整える

こんばんは。
どっこいしょの知哲です。

家に帰り、靴を脱いだ瞬間。

「ああ、疲れた」

そのまま靴を後ろへ残して、部屋へ向かうことがあります。

片方は右。

もう片方は左。

一日の苦労を、玄関で見事に表現したような姿です。

 

◆足元を見るという教え

禅には「脚下照顧(きゃっかしょうこ)」という言葉があります。

人のことや遠くのことばかり気にする前に、まず自分の足元を見つめなさい、という教えです。

立派なことを語る前に、自分の履物を揃える。

未来を心配する前に、目の前の一歩を確かめる。

靴を揃えることは、小さな行いですが、自分の心を「今ここ」に戻してくれる大切な行いです。

 

◆体は帰っても、心が帰っていない

仕事で言われた一言。
終わらなかった用事。
明日の予定。

体は家へ帰っているのに、心だけが外で働き続けている夜があります。

そんなときは、脱いだ靴をくるりと返し、静かに揃えてみます。

一度しゃがみ、手を動かす。

その短い動作が、

「今日の外での務めは、ここまで」
「これからは、家で過ごす時間です」

という区切りになります。

体の動きが、心を連れて帰って来てくれるのです。

 

◆最初に揃えるのは、自分の靴

玄関の靴が気になり始めると、家族の靴まで直したくなります。

けれども、脚下照顧は、人の足元を取り締まる教えではありません。

家族の靴を見て、

「また散らかして」

と腹を立てていたら、玄関は整っても、心が散らかります。

まずは、自分の靴を揃える。
次に家族の靴を揃える。

誰にも褒められなくても、静かに揃える。

それを続けていると、玄関の空気が変わり、その姿を見た誰かの靴も、いつの間にか揃い始めるかもしれません。

人を変えるより、まずは自分の足元を変える。

そのほうが、少し早く暮らしは整います。

今日も自分の足元から、どっこいしょ。

 

⭐️「どっこいしょ便り」の登録はこちら
https://dokkoisho.store/pages/newsletter

 

シェア: